誤嚥性肺炎を防ぐために
2026/07/30
~とろみ剤を正しく使い、安全に食事を楽しみましょう~
食事や水分を口から摂ることは、私たちにとって当たり前の日常です。しかし、病気や加齢、障害などによって「飲み込む力(嚥下機能)」が低下すると、食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」が起こりやすくなります。
誤嚥は、重症心身障害児・者の方だけでなく、高齢の方、脳卒中後遺症のある方、神経疾患のある方などにも起こる可能性があります。そして、その誤嚥が原因で発症するのが**誤嚥性肺炎**です。
生活介護虹をつかもう・放課後等デイサービス虹をつかもうでも、とろみ剤を使用して安全に水分補給を行っているご利用者様がいらっしゃいます。
今回は、ご家庭でも役立つ「誤嚥性肺炎の予防」と「とろみ剤の正しい使い方」についてご紹介します。
誤嚥とは?
通常、食べ物や飲み物は口から食道へ送られます。
しかし、飲み込む力が低下すると、本来食道へ入るはずのものが誤って気管へ入り込んでしまうことがあります。
これを**誤嚥**といいます。
少量であれば咳によって外へ出せますが、咳をする力や感覚が弱くなっていると、そのまま肺へ入り込み、口の中の細菌と一緒に肺で炎症を起こします。
これが**誤嚥性肺炎**です。
高齢者だけではなく、障害のある方や神経疾患のある方でも注意が必要な病気です。
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水やお茶は実は誤嚥しやすい飲み物です
「水なら飲みやすい」と思われる方も多いかもしれません。
しかし、水やお茶のようなサラサラした飲み物は、口から喉へ一気に流れやすく、飲み込む準備が整う前に気管へ入りやすい特徴があります。
そのため、嚥下機能が低下した方ほど、水分でむせ込みやすくなります。
とろみ剤は「飲みにくくするもの」ではありません
そこで使用されるのが**とろみ剤**です。
飲み物に適度なとろみを付けることで、
* 飲み物がゆっくり流れる
* 飲み込むタイミングを合わせやすくなる
* むせ込みを減らせる
* 誤嚥のリスクを軽減できる
といった効果が期待できます。
とろみ剤は「飲みにくくするもの」ではなく、**安全に飲み込めるようにするための大切な補助食品**なのです。
とろみの濃さは3段階あります
「とろみ」と一言でいっても、実は全員が同じ濃さではありません。
飲み込む力に合わせて、**日本摂食嚥下リハビリテーション学会**では、とろみの濃さを3段階に分類しています。
実際にはLST(Line Spread Test)やIDDSIといった評価法を用いて専門職が判断しますが、ご家庭では次のようなイメージを参考にしてください。
| とろみの種類 | イメージ | 適している方 |
| **薄いとろみ** | 飲むヨーグルト程度 | 軽くむせ込みが見られる方 |
| **中間のとろみ** | ポタージュスープ程度 | 水分でむせ込みやすい方 |
| **濃いとろみ** | はちみつ程度(※1歳未満には与えません) | 飲み込む力が大きく低下している方 |
濃ければ安全というわけではありません。
ご本人に合わない濃さでは、
* 飲みにくい
* のどに残りやすい
* 水分摂取量が減る
* 脱水につながる
などの問題が起こることがあります。
そのため、医師や言語聴覚士(ST)などの評価を受けながら、その方に合った濃さを選ぶことが大切です。
とろみ剤を上手に使う5つのポイント
① 説明書どおりの量を使用しましょう
商品によって必要な量が異なります。
自己判断で増減せず、説明書や医療職の指示に従って使用しましょう。
② よくかき混ぜましょう
粉が残るとダマになり、とろみにムラができます。
均一になるよう、しっかり混ぜることが大切です。
③ すぐには飲まず、1~3分待ちましょう
多くのとろみ剤は、混ぜた直後ではなく、1~3分程度で本来のとろみになります。
作ってすぐでは思ったよりサラサラしていることがあります。
④ 飲み物によって付き方が違います
牛乳、スポーツドリンク、栄養剤、ジュースなどは、水やお茶とは成分が異なるため、同じ量のとろみ剤でも濃さが変わります。
商品に記載されている目安を確認しながら調整しましょう。
⑤ 目分量では作らないようにしましょう
毎回同じスプーンを使用し、同じ量で作ることが大切です。
日によって濃さが変わると、安全性にも影響します。
とろみ剤に関するよくある質問
Q1 熱い飲み物にも使えますか?
はい、多くの商品は温かい飲み物にも使用できます。
ただし、熱すぎる飲み物はやけどの危険だけでなく、飲み込みにくくなることもあります。
適温まで冷ましてから飲むことをおすすめします。
Q2 時間が経つと濃くなりますか?
はい。
多くのとろみ剤は時間とともに本来の粘度になり、長時間置くとさらに少し濃くなることがあります。
作ったらできるだけ早めに飲みましょう。
Q3 薬にも使えますか?
場合によります。
薬の種類によっては、とろみ剤が薬の溶け方や吸収に影響することがあります。
飲みにくい場合は、主治医や薬剤師へ相談してください。
Q4 スポーツドリンクや牛乳にも使えますか?
はい。
ただし、とろみの付き方が異なるため、水と同じ量では適切な濃さにならないことがあります。
商品の説明を確認して調整しましょう。
Q5 濃ければ濃いほど安全ですか?
いいえ。
濃すぎると、
* 飲みにくい
* のどに残る
* 水分摂取量が減る
* 脱水につながる
ことがあります。
その方に合った濃さを維持することが大切です。
Q6 むせなければ安心ですか?
実はそうではありません。
**「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」**と呼ばれる、むせない誤嚥があります。
咳が出ないため気付きにくく、
* 食後に声がガラガラする
* 痰が増える
* 微熱を繰り返す
* 食事時間が長くなる
* 体重が減る
といった症状が見られることがあります。
気になる変化があれば、医療機関や専門職へ相談しましょう。
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とろみ剤だけでは誤嚥性肺炎は防げません
誤嚥性肺炎を予防するためには、
* 正しい姿勢で食べる
* 一口ずつゆっくり飲む
* 食後30分程度は横にならない
* 毎日の口腔ケアを行う
* 定期的に嚥下機能を評価する
ことも重要です。
特に口腔ケアは、口の中の細菌を減らし、万が一誤嚥した場合でも肺炎のリスクを下げることにつながります。
最後に
生活介護虹をつかもう・放課後等デイサービス虹をつかもうでは、看護師をはじめ、理学療法士・作業療法士などの専門職が連携し、ご利用者様一人ひとりの飲み込む力や身体状況に合わせた支援を行っています。
毎日の食事や水分補給は、健康を維持するだけでなく、人生の楽しみの一つでもあります。
「最近むせることが増えた」「とろみの付け方が合っているか不安」「以前より食事に時間がかかるようになった」など、気になることがありましたら、お気軽にスタッフまでご相談ください。
これからも、ご利用者様が安心して食事を楽しみ、ご家族にも安心していただけるよう、専門的な支援を大切にしてまいります。
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児童発達支援と放課後等デイサービス 虹をつかもう
栃木県足利市八椚町381-8
電話番号:0284-64-9483
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