株式会社キャッチ・ザ・レインボー

「ごめんなさい」と「ありがとう」が言える子に育てたい ~その願いと葛藤のはざまで~

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「ごめんなさい」と「ありがとう」が言える子に育てたい ~その願いと葛藤のはざまで~

「ごめんなさい」と「ありがとう」が言える子に育てたい ~その願いと葛藤のはざまで~

2025/04/22

放課後等デイサービスの現場で、私たち支援者が繰り返し子どもたちに伝えている言葉があります。

 

それは「ごめんなさい」と「ありがとう」。

 

この二つの言葉は、社会で人と関わって生きていくうえでとても大切な言葉です。自分の非を認め、相手の気持ちに寄り添う「ごめんなさい」。誰かの親切や優しさをしっかりと受け取り、感謝を表す「ありがとう」。

 

けれど、この言葉を心から口にすることは、実は大人でも難しいことがあります。ましてや、発達に特性のある子どもたちにとって、それがどれほど高いハードルかは、日々の療育のなかで何度も思い知らされます。

 

「言えている」けれど、心からじゃない?

子ども同士のトラブルは日常茶飯事です。おもちゃの取り合い、言い争い、順番のことでの小さなけんか。そんなとき、私たちはできるだけ早く介入し、状況を整理しながら、「どうしてこうなったのか」「相手はどう感じたか」を一緒に振り返ります。

 

そして、「ちゃんと『ごめんなさい』しようね」「『ありがとう』は?」と声をかける。

 

すると、多くの子どもは、うつむきながら、あるいは口をとがらせながら、絞り出すように言葉を発します。

 

「ごめんなさい……」「ありがと……」

 

その場では“言えた”ことにホッとしながらも、私の心に引っかかるものがあります。

 

本当にこの子は心から謝っているのだろうか?感謝しているのだろうか?

 

もしかしたら、私たち大人の指示に従って、形だけの言葉を発しているだけなのではないか……。

 

「言わせる」ことの難しさ

言葉の発達がゆっくりな子、相手の気持ちを読み取るのが難しい子、こだわりが強くて自分の非を認めたくない子――。

 

それぞれの子に背景があり、「ごめんなさい」や「ありがとう」という言葉がスムーズに出てこないのは当然のことです。

 

それでも、私たちは社会性の一環として、あるいは集団生活のルールとして、これらの言葉を“使える”ようにと指導していきます。

 

しかし、療育の現場で指導者として感じるジレンマは、「言わせる」ことで子どもが本当に理解できているのか、ということです。

 

「言わせる」ことは簡単です。でも、「言いたくなる気持ち」を育てることは、とても難しい。

 

心の中で感じていない「謝罪」や「感謝」の言葉は、子どもにとって単なる呪文に過ぎません。それでは意味がないし、子ども自身の成長にもつながりません。

 

子どもたちが言葉を「選ぶ」瞬間

だいぶ前ですが、小学4年生のAくんが、ブロック遊びの最中にBさんの作品を壊してしまいました。

 

Bさんは泣きながら「なんでそんなことするの!」と怒ります。私はそっとAくんのそばに行きました。

 

「どうして壊しちゃったのかな?」 「……邪魔だったから」 「Bさん、悲しそうだったね。あのブロック、ずっと作ってたの、知ってた?」 「……うん」

 

しばらく沈黙のあと、Aくんがぽつりとつぶやきました。

 

「ごめん」

 

私はその瞬間、心がじんと熱くなりました。

 

誰に促されたわけでもなく、Aくんが自分の気持ちで「ごめん」と言った。その言葉には、確かに気持ちがこもっていました。

 

私たちが目指したいのは、まさにこういう姿です。

 

指示されなくても、自分の気持ちに気づき、自分で言葉を選んで、相手に伝える。

 

それができるようになるまでには、時間がかかるかもしれません。でも、それでいいのです。焦らず、ひとつひとつの出来事に丁寧に向き合いながら、その“瞬間”を育てていきたいのです。

 

支援者としての“迷い”と“希望”

正直に言えば、支援者として迷うこともたくさんあります。

 

「この対応でよかったのか?」 「もっと別の言い方をすればよかったのでは?」 「今日はあの子にとってしんどすぎたかもしれない」

 

そうやって帰り道に思い悩み、夜中にふと目が覚めてしまうこともあります。

 

でも、私たち支援者の役割は、“正解”を提供することではなく、“寄り添い”を提供することだと考えています。

 

子どもたちの小さな変化に気づき、それを言葉にして伝えること。失敗を叱るのではなく、「次はこうしてみようか」と前向きな提案をすること。

 

何よりも、「ごめんね」「ありがとう」が言える空気を、場としてつくること。

 

私たちがその雰囲気を大切にしていれば、きっと子どもたちにも伝わるはずです。

 

最後に:言葉の奥にある「心」を信じて

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