― 脳性麻痺・先天性疾患と骨格発達の関係 ―
2025/07/23
はじめに
脳性麻痺(CP:Cerebral Palsy)や先天性疾患を持つお子さんは、発達の過程で運動機能の制限を受けやすく、筋緊張異常による姿勢のアンバランスや関節への偏った力のかかり方により、骨格の変形をきたしやすい傾向にあります。
特に、脊椎の側弯や骨盤・股関節の発育不良、股関節亜脱臼などは、痛みや姿勢保持困難を引き起こし、生活の質を著しく損なう可能性があります。
しかし、早期から継続的にリハビリテーションを実施することで、脊椎の側弯に関しては十分に予防可能です。
骨格変形の背景と予防
筋緊張のアンバランスによる影響
脳性麻痺における痙直型やアテトーゼ型では、特定の筋が過緊張し、他の筋とのバランスが崩れます。この状態が続くと、脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう)
が生じてしまいます。また、立位保持姿勢をとる機会の減少などで骨盤の非対称成長や股関節の亜脱臼・脱臼および頚体角や臼蓋の形成不全といった骨格変形が進行してしまいます。
リハビリの意義とその効果
適切なリハビリが変形を防ぐ
理学療法士・作業療法士などの専門職によるリハビリは、以下の面で効果を発揮します。
1)筋緊張コントロールと関節可動域の維持
2)正しい姿勢保持と動作パターンの獲得
3)荷重刺激による骨への成長刺激
特に児童期~思春期の骨の成長期において、毎日のように正しい刺激を入れることが最も効果的です。
【レントゲン画像の臨床所見】
このX線写真では、**大きな脊椎の湾曲には至っておらず、現時点で重度の側弯症所見は認められません。**これは、継続的なストレッチやリハビリの介入によって脊椎アライメントが良好に保たれていることを示しています。
一方で、以下の懸念が確認されます:
骨盤の形成が不十分で横方向への広がりが見られない
大腿骨に対する荷重が不足し、頚体角の形成が乏しい
臼蓋(きゅうがい)の発育も不十分
結果として、大腿骨頭が上外側方向に偏位し、股関節亜脱臼のリスクが高まっている
これは筋緊張の影響が強く出ており、今後の継続的なリハビリと荷重訓練による対応が極めて重要であることを示しています。
私たちの支援体制について
私どもでは、来所していただいたすべてのお子さんに対して、最低限のストレッチや姿勢調整といった変形防止プログラムを日常的に実施しています。
お子さん一人ひとりの身体状態に応じて、筋緊張のコントロール・関節可動域の保持・荷重刺激の確保・姿勢保持の補助を目的とした支援を提供しています。
地域の皆さまへ
もし足利市近隣にお住まいで、脊椎側弯症や股関節の異常所見などがみられるお子さんがいらっしゃいましたら、ぜひ一度、私どもにご相談ください。
お子さんの未来を守るために、予防的な観点からの関わりを大切にし、個別に合わせた支援を全力で行っています。
おわりに
骨格の変形は“気づいたときには進行している”ことが少なくありません。しかし、気づきと早期対応、継続的なリハビリによって、その進行を抑え、姿勢や動作の自立を保つことは可能です。
私たちは日々、お子さんの体と心に丁寧に向き合いながら、「その子らしく生きる」ことを支える環境づくりを行っています。ぜひ、一緒にその一歩を踏み出してみませんか?
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児童発達支援と放課後等デイサービス 虹をつかもう
栃木県足利市八椚町381-8
電話番号:0284-64-9483
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