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窓の時期(ウィンドウ・オブ・オポチュニティ)とは?  ~乳幼児期における脳性麻痺児の発達には黄金時期があります~

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窓の時期(ウィンドウ・オブ・オポチュニティ)とは?  ~乳幼児期における脳性麻痺児の発達には黄金時期があります~

窓の時期(ウィンドウ・オブ・オポチュニティ)とは?  ~乳幼児期における脳性麻痺児の発達には黄金時期があります~

2025/07/10

はじめに:乳幼児期の脳の力は変わる力がすごい!

子どもたちの脳には、生まれつき備わった「変わる力」があります。私たち支援者はそれを**「脳の可塑性(かそせい)」**と呼んでいます。

 

「可塑性」とは、経験や刺激によって脳の神経回路がつくりかえられる力のこと。特に乳幼児期にはこの力が強く、良い経験を積み重ねることで、脳は新しい働きを獲得しようと変化していきます。

 

ここでは、この「脳の可塑性」と、その中でもとりわけ重要な**“窓の時期(ウィンドウ・オブ・オポチュニティ)”**について、脳性麻痺をもつお子さんに焦点を当ててわかりやすくご紹介します。

 

「脳の可塑性」ってどんな力?

「脳の可塑性(のうのかそせい)」とは、簡単に言えば**“脳が環境や経験に応じて変わる力”**です。

 

たとえば、けがなどで脳の一部がダメージを受けても、残っている神経がその働きを代わりに担おうとしたり、別のやり方で目的を達成しようとしたりすることがあります。これがまさに「可塑性」の表れです。

 

実際、子どもが遊びや日常の体験を通して、できなかったことができるようになっていくのもこの力のおかげです。

 

脳性麻痺と「脳の変わる力」

脳性麻痺(CP:Cerebral Palsy)は、出生前後に脳へ何らかの損傷を受けたことにより、運動や姿勢の発達に困難を生じる障がいです。動きにくさや筋緊張の異常、バランスの取りにくさ、手足の不自由さなどが症状として現れます。

 

しかし、だからといって「発達できない」ということでは決してありません。脳は損傷を受けても、別の神経経路を発達させる可能性を持っているのです。

特に小さな子どもの脳は、大人よりもはるかに高い再編成力=可塑性を持っています。

 

“窓の時期”ってなに?なぜ大切なの?

“窓の時期(Window of Opportunity)”とは、脳がある特定の能力を最も受け入れやすく、育ちやすい時期のことです。

 

この時期に良い刺激や経験を得ることで、その能力はスムーズに発達していきます。しかしこの「窓」はずっと開いているわけではなく、時間とともにゆっくり閉じていきます。

 

たとえば、

 

視覚の発達の窓 → 生後6か月~2歳ごろ

 

言語の発達の窓 → 0~6歳前後

 

粗大運動(歩く、立つなど)の窓 → 0~7歳ごろ

 

など、各能力にはそれぞれの“最適な時期”があります。

 

脳性麻痺児においては、この窓の時期にいかに適切な支援ができるかが、その後の生活の質に直結するのです。

 

「経験」が脳を育てる:日常がリハビリになる

脳の可塑性を引き出すために、特別な道具や高価な訓練が必要というわけではありません。大切なのは、日々のなかでどんな「経験」を重ねるかということです。

 

例えば、こんな活動が脳の刺激になります:

 

活動の例                      刺激される脳の機能

おもちゃを手で握る・離す              手の運動・目と手の協調・集中力

音楽に合わせて手をたたく              聴覚処理・リズム感・模倣

食事のスプーンを使う           手の巧緻運動・自立動作の学習

他の子と関わる遊び               社会性・感情理解・言語の発達

 

こうした経験は、理学療法(PT)、作業療法(OT)、言語療法(ST)など専門的なリハビリと並行して日常的に行うことで、相乗効果をもたらします。

 

早期の関わりが将来を変える

0〜3歳の間は、神経細胞同士が爆発的につながる時期。特に脳性麻痺のある子どもにとって、この**「早期支援の質とタイミング」が、将来的な自立度や生活のしやすさを大きく左右します**。

 

研究によれば、早期に適切な運動刺激を受けた子どもたちは、筋緊張のコントロールや関節拘縮の予防、姿勢制御力の向上などにおいて、良い経過をたどる傾向があります。

 

保護者に伝えたいこと:「今がチャンスです」

私たちは日々、多くの保護者の方からこんなお声を耳にします。

 

「まだ小さいし、もう少し様子を見ようかと…」

「本当にうちの子にリハビリは必要ですか?」

「少しできているから、まあ大丈夫かなと…」

 

もちろん、お子さんを信じる気持ちはとても大切です。でも、“少しできている”今こそ、さらに伸びるタイミングでもあるのです。

 

脳の「窓の時期」は、後になってから開けようと思っても、完全には戻りません。

だからこそ、今だからできることを、焦らず、でも着実に始めることが大切なのです。

 

支援者の役割:チームで“経験の質”を高める

脳の可塑性を活かすためには、「一人の専門職ががんばる」のではなく、家族・保育園・リハビリ職・支援スタッフみんなが連携して“同じ方向”を見ることが重要です。

 

家ではどんな姿を見せているか

 

園ではどう関わっているか

 

支援現場では何ができているか

 

医療との連携や装具の使い方

 

そうした情報を共有し、理解を重ね合いながら、その子の脳に“最高のタイミングで、最高の経験”を届けることが、私たち支援の大きな役目です。

 

まとめ:その子の未来は“今”の支援で変えられる

脳性麻痺児の発達支援において、「脳の可塑性」や「窓の時期」という言葉は、決して特別なものではありません。それは、子どもが持って生まれた、成長のチャンスそのものです。

 

そして私たち支援者や保護者には、そのチャンスを見逃さず、育てていく力があります。

 

大切なのは「少しの気づき」と「一歩の行動」。

 

今日のお子さんの一瞬一瞬の中に、未来を広げる種が必ずあります。

その種がすこやかに育つよう、わたしたちはこれからも、保護者の皆さんとともに寄り添い続けたいと思います。

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