〜野口聡一さんの誕生日に寄せて〜
2025/04/15
「宇宙(そら)を見上げるすべての子どもたちへ」
こんにちは、放課後等デイサービス「虹をつかもう」です。
春の陽光があたたかく街を包む今日、4月15日は日本を代表する宇宙飛行士、野口聡一さんのお誕生日です。1965年生まれの野口さんは、スペースシャトル、ソユーズ、クルードラゴンと三種類の宇宙船に搭乗した、世界でも数少ない宇宙飛行士の一人。宇宙からの視点で地球を見つめ、多くのメッセージを発信してこられました。
そんな野口さんが「宇宙飛行士になりたい」と夢を描いたのは、高校1年生のときだったそうです。そのきっかけとなったある出来事――そこには、夢を抱くすべての子どもたちに通じる「はじまり」の物語がありました。
衝撃の瞬間 ― 高校1年のあの日
野口さんがその瞬間に出会ったのは、スペースシャトルの第一号機「コロンビア号」の打ち上げのニュースでした。多くの人々が見守るなか、空へと上昇していくシャトル。その様子を目の当たりにして、彼は「いま、宇宙飛行士が宇宙へ飛び立ったんだ!」と衝撃を受けたと語っています。
それまでにも、アポロ11号による人類初の月面着陸をはじめ、宇宙の歴史には興味を持っていたそうですが、それは本や資料で「知る」世界でした。しかしこのときは違いました。「リアルタイムで人類が宇宙に行く姿」を初めて見た野口さんは、「本当にこんな風にロケットを打ち上げて宇宙に向かうんだ。宇宙飛行士って、かっこいいな。面白そうだな」と胸を熱くしたそうです。
私たちは、この一言に深く共感を覚えます。
子どもたちが「好き」と感じるものに出会ったとき、その瞳は一気に輝きます。世界が広がる瞬間。心の奥で「これがやりたい」「近づいてみたい」と感じる瞬間。野口さんのその体験は、まさに夢が芽生える種のようなものでした。
「宇宙飛行士になりたい」と言ってみた
野口さんはその後、進路相談で学校の先生に「宇宙飛行士になりたいです」と素直に伝えたそうです。
けれども当時は、日本人宇宙飛行士が宇宙に行った実績も少なく、周囲にそんなロールモデルがいたわけでもありませんでした。先生も、「本気なのかどうか測りかねた」とのこと。なかば苦笑いしながら「夢はわかるけれど、現実的には難しいかもね」と返したのも、無理はない時代背景だったのでしょう。
それでも野口さんは、自らの想いを伝え、先生も「少しでも夢に近づける道を」として、航空学科への進学を勧めてくれました。そうして彼は「空」を学びながら「宇宙」に近づく第一歩を踏み出していきます。
子どもたちの「夢」に、私たちはどう向き合うか
このエピソードは、私たち放課後等デイサービスの支援者にとって、とても大きな示唆を与えてくれます。
私たちが日々出会う子どもたちのなかには、障害という個性を持ちながらも、豊かな感性と無限の好奇心を持っている子がたくさんいます。「消防士になりたい!」「恐竜博士になりたい!」「お菓子屋さんになりたい!」そんな夢を語ってくれる彼らの声は、本当にまっすぐで、きらきらとしています。
けれど、周囲の大人はどうでしょうか。「でも難しいよね」「特性があるから無理じゃないか」と、知らず知らずのうちにその芽を摘もうとしてしまうことはないでしょうか。
野口さんのように、「本気かどうか測りかねた」「夢は夢として」と受け止められることが、子どもたちにとってどう響くのか。たとえその夢が今すぐには叶わないものであっても、「その想いを否定しない」「少しでも近づける道を考える」姿勢こそが、支援者として大切なあり方だと、私たちは思います。
夢を育てる環境をつくるということ
夢を叶えるには、努力や技術も必要ですが、その前に「夢を語れる環境」がなければ始まりません。
野口さんが「コロンビア号の打ち上げ」という衝撃的な出会いに胸を打たれたように、子どもたちにも心が震えるような「体験」を届けること。それが私たち放課後等デイサービスの役割でもあります。
絵を描く、音楽を奏でる、身体を動かす、ものを作る――そのどれもが、子どもたちの内にある夢の種に光を与え、水を注ぐ行為です。
そして、たとえ失敗しても、「いいじゃん、やってみたんだから!」と笑いあえる空間。「ちょっと難しいけど、一緒に考えてみようか」と手を差し伸べる姿勢。そうした日々の積み重ねが、子どもたちの自己肯定感を育て、「自分にもできるかもしれない」という未来への力になります。
「障害」という言葉の向こうにあるもの
野口さんが語る宇宙飛行士の魅力には、「挑戦することの面白さ」「チームワーク」「未知の世界への好奇心」といった言葉が並びます。それらは決して特別な能力がある人だけのものではありません。
障害があるからこそ、豊かな感受性を持ち、独自の視点から物事を見ることができる子どもたちもいます。チームで動くことが得意ではなくても、自分なりのペースで集中して取り組む力を持つ子もいます。
多様な個性を認め合い、それぞれの力が生かされる社会――それこそが、宇宙から地球を見つめた野口さんが語る「国境も、違いも見えない」世界なのかもしれません。
未来に向けて、今できること
野口聡一さんのように、「本当にかっこいいな」「面白そうだな」と胸を躍らせた瞬間。そのひとつひとつが、人生のターニングポイントになるかもしれません。
私たちは、そんな「瞬間」を、子どもたちに届ける存在でありたいと願っています。そして、障害の有無にかかわらず、すべての子どもたちが自分の夢を語り、追いかけ、支えられながら育っていく社会をつくりたいと考えています。
結びに代えて 〜空の先にある希望〜
宇宙には果てがありません。そして、子どもたちの可能性にも、限界はありません。
本日お誕生日を迎える野口聡一さんに、心からの敬意と祝福を。
そして、すべての子どもたちが、いつか自分の「コロンビア号」に出会える日を信じて。
私たち「虹をつかもう」は、これからも一人ひとりの夢に寄り添い、支え、共に空を見上げ続けていきます。
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児童発達支援と放課後等デイサービス 虹をつかもう
栃木県足利市八椚町381-8
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