想いを形に――家族へ届ける、陶芸カップ物語#3
2025/05/17
7. 今後の取り組みと展望:創作活動をもっと自由に、もっと豊かに
今回の作品を通して、私たちはあらためて「創作活動の持つ力」を実感しました。
陶芸は、ただの「ものづくり」ではありません。それは、自分の内面を表現する手段であり、誰かに思いを届けるツールでもあります。特に生活介護の現場においては、言葉でのコミュニケーションが難しい場面もありますが、創作を通じてなら、心の中の声を“かたち”として表すことができるのです。
これからの施設づくり、支援のあり方として、私たちは以下のような展望を描いています。
■ もっと自由な表現の場を
陶芸に限らず、絵画や染め物、紙工作など、表現の幅を広げる取り組みを強化していきたいと考えています。一人ひとりが自分のペースで、自分の思いを表現できるように、道具や材料の選択肢を増やし、環境整備を進めていきます。
■ 作品の“その先”を意識する支援へ
今回のように「誰かのために」「届けたい相手がいる」という視点は、創作活動に深みと意味を加えます。ご家族への贈り物や、イベントでの展示、地域交流の場での発表など、作品が“使われる・見られる”ことを意識した支援を続けていきます。
■ 地域とつながる展示・販売機会の創出
「自分の作品が、誰かの手に渡る」という経験は、自己肯定感の向上にもつながります。地域のカフェやイベントでの展示、ささやかな販売活動など、作品が社会とつながる場を今後つくっていきたいと考えています。
■ ご家族との共同制作も視野に
今回のような“贈る陶芸”だけでなく、“一緒に作る陶芸”も素敵です。ご家族との共同制作イベントや、家庭に持ち帰って仕上げる活動など、新しい形の「つながりの場」も模索しています。
こうした未来の展望は、すべて今回のカップ作品から始まりました。一人の利用者さんの思いが、支援の現場を動かし、施設全体の価値観を揺さぶったのです。
8. おわりに:「手のひらのぬくもり」は、形に残る
陶芸作品は、完成してからが本当の“スタート”かもしれません。
焼き上がったカップは、奥様の手に渡り、コーヒーの香りとともに毎朝の時間を豊かにしています。その時間の中には、「夫が自分のために作ってくれた」という想いが、静かに溶け込んでいることでしょう。
支援者として、私たちが見守ってきたこのプロセスは、「支援」という枠を超えた、人と人とのやり取りだったのだと感じています。誰かを想い、手を動かし、形にする。その過程は、ゆっくりと、しかし確かに心を結んでくれる営みでした。
今、利用者さんの手元には、もう一つ新しい粘土の塊があります。
「今度は、うちの子どもにお茶碗でも作ってみようかな」
そんな未来に向けた言葉が、また新たな物語の始まりを告げていました。
手のひらのぬくもりは、時間を超えて、形となり、受け取る人の心を静かに温めます。私たちはこれからも、その“かたち”が生まれる場を大切に育んでいきます。
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