「親なきあと」問題と生活介護の役割
2026/02/25
―― 将来の不安を“今”から支えるために ――
障がいのあるお子さんを育ててこられたご家族の多くが、いつか必ず向き合うことになるテーマがあります。それが「親なきあと問題」です。
「自分たちがいなくなったら、この子はどうやって生活していくのだろう」
「体調管理は?お金の管理は?困ったときに相談できる人はいるのだろうか」
「施設でちゃんと大切にしてもらえるのだろうか」
この問いは、決してネガティブな話ではありません。
それだけ深く、真剣に、お子さんの人生を考えてこられた証です。
今回は、生活介護という立場から、「親なきあと問題」にどう向き合い、どのような準備ができるのかをお伝えしたいと思います。
■ 親なきあと問題とは何か
親なきあと問題とは、主に次のような不安を指します。
親が高齢になった、あるいは亡くなった後の生活の場
・金銭管理や福祉制度の手続き
・健康管理や医療対応
・緊急時の対応
・本人の意思が尊重されるかどうか
特に重度の知的障がいや身体障がい、医療的ケアが必要な方の場合、ご家族の支援が生活の中心になっていることが多く、「家族の支えがなくなったら生活が成り立たないのではないか」という不安は非常に大きなものになります。
しかし一方で、社会資源は確実に整備されつつあります。
重要なのは、「いざその時」ではなく、「今から」少しずつ準備していくことです。
■ なぜ早い段階から考える必要があるのか
「まだ親も元気だから」「まだ先の話だから」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし実際には、親御さんが70代・80代になってから慌てて動き始めるケースも少なくありません。
準備が遅れることで起きやすい問題としては、
・本人が新しい環境に慣れるのに時間がかかる
・支援者との関係づくりが間に合わない
・金銭や制度の整理が不十分になる
・家族以外が本人の特性を十分理解していない
といったことが挙げられます。
障がいのある方にとって、環境の変化は大きなストレスになります。
だからこそ、少しずつ社会との接点を広げ、「家族以外にも支えてくれる人がいる」という状態をつくることが重要なのです。
■ 生活介護が果たす役割とは
生活介護は、単なる「日中活動の場」ではありません。
親なきあとを見据えたとき、非常に大きな役割を担っています。
1.生活リズムを整える拠点になる
規則正しい通所、活動、食事、入浴、健康管理。
生活介護は、日々の安定した生活リズムを支えます。
生活の基盤が整っていることは、将来どのような住まい方を選んだとしても、大きな強みになります。
2.家族以外との関係づくり
職員、看護師、リハビリ職、他の利用者。
さまざまな人との関わりが生まれます。
「家族しか分からない」状態から、
「支援者も理解している」状態へ。
これは親なきあと問題において、非常に大きな安心材料になります。
3.健康管理の継続
重度障がいのある方の場合、体調変化の早期発見は命に関わることもあります。
・吸入対応
・内服・外用薬の管理
・皮膚トラブルの観察
・姿勢管理や拘縮予防
こうした医療・健康面の継続支援があることで、将来的にも安定した生活を送りやすくなります。
4.「できること」を守り続ける
年齢を重ねると、体力や筋力は低下します。
しかし適切なリハビリや活動があれば、機能低下を緩やかにすることは可能です。
「できること」を維持することは、
将来の選択肢を守ることにもつながります。
■ 親なきあとに向けて、今できること
では、具体的に何から始めればよいのでしょうか。
① 日中活動を安定させる
まずは、安定した通所先を確保すること。
生活介護が「居場所」として機能することが第一歩です。
② 情報共有を積み重ねる
・体調の変化
・好きなこと・嫌いなこと
・パニックのきっかけ
・落ち着く方法
これらを日々共有し、記録として残していくことが重要です。
将来、支援者が変わったとしても、その記録が本人を守ります。
③ 住まいの選択肢を知る
・グループホーム
・入所施設
・在宅+ヘルパー
「今すぐ決める」のではなく、「知っておく」ことが大切です。
見学だけでも、将来のイメージが具体的になります。
④ 金銭管理・成年後見制度の検討
専門家への相談も含め、早めに情報を集めておくことが安心につながります。
■ 本人の「人生」をどう考えるか
親なきあと問題は、「守る」視点になりがちです。
しかしもう一つ大切なのは、「その人らしく生きる」視点です。
・好きな活動があるか
・役割を持てているか
・人とのつながりがあるか
・達成感を感じられているか
生活介護は、単に安全を確保する場ではなく、
「人生を豊かにする場」であるべきだと考えています。
■ 親御さんの心のケアも大切
親なきあと問題は、時に大きな不安や罪悪感を伴います。
「もっと何かできるのではないか」
「自分がいなくなることを考えるだけで苦しい」
しかし、完璧な準備などありません。
大切なのは、一人で抱え込まないことです。
支援者と話すこと、同じ立場のご家族と共有すること。
それだけでも、不安は少し軽くなります。
■ 生活介護は“バトンをつなぐ場所”
親御さんがこれまで守り続けてきた人生。
そのバトンを受け取り、次へつなぐ場所が生活介護です。
・日々の健康を守る
・生活リズムを整える
・社会との接点を持ち続ける
・小さな成長を積み重ねる
それは決して特別なことではありません。
しかし、その積み重ねこそが「親なきあと」の安心につながります。
■ 今を大切にすることが、未来を支える
将来のことを考えると、不安は尽きません。
けれど未来は、今日の積み重ねでできています。
今日、安心して過ごせた。
今日、小さな成功があった。
今日、笑顔があった。
その一日一日が、
「この子は大丈夫」という確信を育てていきます。
■ 最後に
親なきあと問題に「正解」はありません。
ご家庭ごとに状況も想いも違います。
だからこそ、私たちは寄り添い続けたいと考えています。
今すぐ答えを出す必要はありません。
けれど、「いつか」ではなく「いま」から、少しずつ。
生活介護は、ご本人の人生を支える場所であり、ご家族の不安を分かち合う場所でもあります。
親なきあとも、その人らしく、安心して生きていける社会を目指して。私たちは、その歩みに伴走し続けます。
----------------------------------------------------------------------
児童発達支援と放課後等デイサービス 虹をつかもう
栃木県足利市八椚町381-8
電話番号:0284-64-9483
生活介護 虹をつかもう
栃木県足利市八椚町388-3
電話番号:0284-64-8135
足利市の生活介護 虹をつかもう
足利市にて生活介護プランを案内
足利市で重症心身障がい児の対応
----------------------------------------------------------------------

